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Language:

フランス語

Botanical classification

Alcea rosea L.

Order:

Malvales

Family:

Malvaceae

Synonyms:

Althaea rosea (L.) Cav.

Althaea rosea var. sinensis (Cav.) S. Y. Hu

Althaea sinensis Cav.

Plant growing area

野生での原産地は不明であるが、中国または東南アジア熱帯原産と言われる。

中国（観賞用に広く栽培される。福建、広東、広西、海南、四川、台湾、雲南）、パキスタン（観賞植物として広く栽培され、多数の品種がある）。

Use area in the manufacture of paper

中国, 韓国, 日本

Plant cultivation and use

高さ2～3 mの二年生または多年生の草本。観賞用に栽培される。開花期は7月から9月。花の色は白からピンク、濃紅、黒まで幅広い。

紫の花から紫と青紫の染料がとれる。染料の構成成分はアントシアニジン類（シアニジン、デルフィニジン、マルビジン）である。葉からは緑の染料、花からは赤の染料がとれる。染料は絹、羊毛、綿、皮革の染色に使われた。

根と花はチベット医学で粘滑薬、利尿薬、収斂剤に使われる。

栄養素としての特性もあり、若葉は食用に適する。根から栄養に富むデンプンがとれ、花弁から茶が作られる。

China:

主に薬効目的で利用される。儀式用の紙と学者の名刺の染色に使われる。

Japan:

染料として使われる。

Korea:

染料として使われる。

Preparation process for making paper

開花後に花を収穫し、乾燥させ、後日使用する。染料は花弁から抽出する。花弁は生か乾燥のいずれかの状態で使用する。

Japan:

天然染料で染めた紙。染色は2種類の方法で行われる。パルプの染色（漉き染め）または紙に加工したものの染色（浸し染めまたは引き染め）である。

Paper names

アジア、中でも特に中国、韓国、日本では、紙の用途は幅広い。書道や美術用の紙、儀式で使用する紙、ものと交換する媒体としての紙、紙幣、衣服・壁掛け・寝具の製造に使う紙、建築・内装用の紙、家庭用と娯楽用の種々の工芸品に使う紙などがある。

紙の名称の由来は、原料、生産地、製造方法、外見、寸法、用途、職人や工房の名前など、さまざまである。

China:

中国では、韓国や日本と異なり、コウゾ

の繊維から作る紙は主流ではなく、竹の繊維から作る紙が最も重要である。

Japan:

接尾辞かみ、がみ、し = 紙

日本では、コウゾの紙が最も多い。

Korea:

韓国ではコウゾの樹皮から作る紙が最も多い。

Used part of the plant:

葉

花

Use for paper making:

染料

Language:

フランス語

Botanical classification

Alcea rosea L.

Order:

Malvales

Family:

Malvaceae

Synonyms:

Althaea rosea (L.) Cav.

Althaea rosea var. sinensis (Cav.) S. Y. Hu

Althaea sinensis Cav.

Plant growing area

野生での原産地は不明であるが、中国または東南アジア熱帯原産と言われる。

Use area in the manufacture of paper

中国, 韓国, 日本

Plant cultivation and use

高さ2～3 mの二年生または多年生の草本。観賞用に栽培される。開花期は7月から9月。花の色は白からピンク、濃紅、黒まで幅広い。

根と花はチベット医学で粘滑薬、利尿薬、収斂剤に使われる。

栄養素としての特性もあり、若葉は食用に適する。根から栄養に富むデンプンがとれ、花弁から茶が作られる。

China:

主に薬効目的で利用される。儀式用の紙と学者の名刺の染色に使われる。

Japan:

染料として使われる。

Korea:

染料として使われる。

Preparation process for making paper

開花後に花を収穫し、乾燥させ、後日使用する。染料は花弁から抽出する。花弁は生か乾燥のいずれかの状態で使用する。

Japan:

Paper names

紙の名称の由来は、原料、生産地、製造方法、外見、寸法、用途、職人や工房の名前など、さまざまである。

China:

中国では、韓国や日本と異なり、コウゾ

の繊維から作る紙は主流ではなく、竹の繊維から作る紙が最も重要である。

Japan:

接尾辞かみ、がみ、し = 紙

日本では、コウゾの紙が最も多い。

Korea:

韓国ではコウゾの樹皮から作る紙が最も多い。

Used part of the plant:

葉

花

Use for paper making:

染料

Language:

英語

Cannabis sativa L.© O.W.Thomé Flora von Deutschland 1885

Identification

繊維タイプ	靭皮繊維
平均繊維長	靭皮：11mm (5～ 45) 芯： 1.7mm (0.5～4.5)
平均繊維幅	靭皮：22µm (10～50µm) 芯： 22.5µm (8～72)
繊維の末端	先端に向けて細くなり、先端は鈍い
線条痕、十字痕、屈曲ひだ	目立つ十字痕と縦方向の線条痕
原料に含まれる細胞	しばしば存在
特徴	長い繊維植物の芯に、大きな多数の柔細胞壁が厚く、多くの十字痕、ずれ、縦方向の線条痕先端は鈍いが、加工法が原因で不規則布に由来する繊維には細胞が混在しないのに対し、原料からとった繊維には、クレーター状のくぼみがある導管、柔細胞、穴のある短い繊維が含まれる麻の繊維は普通、亜麻の繊維よりも大きい壁が不規則不規則で大きいルーメン多数の十字痕、不規則繊維とフィブリル化の状態から、布くずに由来するものかどうかがわかる
ヘルツベルク染色	紫をおびた黄色（靭皮）/ 濃い紫（芯）、ワインレッド
グラフC染色	赤茶色（靭皮）/ 焦げ茶色（芯）

Botanical classification

Cannabis sativa L.

Order:

Rosales

Family:

Cannabaceae

Synonyms:

Cannabis chinensis Delile

Cannabis indica Lam.

Cannabis sativa var. indica (Lam.) E. Small & Cronquist

Plant growing area

ブータン、インド、シッキム、中央アジアに自生または帰化。

中国全土で栽培。新疆ウイグル自治区では自生または帰化。

Cannabis sativaはおそらく中央アジア原産と考えられるが、長く栽培されてきたため、正確な当初の分布を確認することは困難である。長年の栽培と、各種の望ましい特徴を目的とした人為的な選択により、かなりの変異が生じたが、これを複数の種に分類することや、複数の品種を認識することは、おそらく栽培品種レベルよりも上では正当化できないものと考えられる。

人の移住と侵略に伴い、全大陸にアサの栽培が広がった。

現在はすべての温暖な温帯地域で栽培されている。

Use area in the manufacture of paper

中国, 韓国, 日本。

China:

四川, 新疆ウイグル自治区

Japan:

四国（徳島県、高知県）, 中部（福井県）

Plant cultivation and use

一年生の草本で高さは最大2 m。多型性が高く、気候、緯度、土地により品質が異なる多数の品種がある。

雌雄異株であるが、雌雄同株の品種もある。

繊維と麻実油をとるため、および食用、薬用、医療用に、数千年にわたり利用されてきた。各部分は用途に従い異なる方法で収穫される。

油と繊維という2種の用途のために栽培される。

繊維をとるための栽培は、肥沃な土地で夏に行われる。

繊維は茎の表面部分からとる。麻の繊維をとる作業は重労働である。繊維を柔らかくするために、茎を水に浸けて発酵させ、繊維の周辺の柔組織を取り除く。その後、乾燥、圧搾、叩解を行い、長い繊維をとりだす。

China:

麻の栽培は、おそらく中国で最も古く、最も長く続くものの一つと考えられる。

麻は中国全土で栽培されるが、特に北部に多い。おそらく中国北部で発展し、そこで最初の繊維用植物として栽培されたものと考えられる。中国最古の薬物書である本草経（紀元前100年頃）には、泰山（山東省の山）が麻を栽培した史上最古の場所と記されている。

麻は明代（1368～1644年）に、綿繊維よりも早く、衣服を作るために使われた最古の植物である。

中国の古書では、麻、亜麻、ジュート、カラムシが「麻」と呼ばれている。

製紙用繊維としての麻の使用は最も歴史が長く、前漢（紀元前206～紀元後8年）時代にまでさかのぼる。

最初の紙は布から、または未加工の靭皮繊維から作られた。

ニヤ県（新疆ウイグル自治区）で発見された前漢時代の紀元前3世紀と年代が同定された最古の紙片、ハ橋区（陝西省）で見つかった紀元前140～紀元前87年と同定された紙片、楼蘭（新疆ウイグル自治区）近くのロブノールで1934年に見つかった紀元前1世紀と同定された紙片は、麻の繊維で作られていた。

漢代には、コウゾやカラムシなどの他の製紙原料も多く使われ、3世紀には籐も使われるようになったが、製紙用の主要な原料は常に麻であった。

唐代（618～907年）に、麻の紙は軽量、強靱で防水性があるため、書、製本、公文書（宮廷の文書を含む）に最適と考えられた。

製紙での麻の使用は唐代以降衰退し、しだいにカラムシと竹に移行した。

Japan:

韓国では、中国で製紙が始まってから、比較的すぐに製紙が始まった。始まりの時期は3世紀から6世紀末と考えられている。最初の韓国の製紙業者は中国の製紙業者が用いるのと似た原料と技術を使い、麻とカラムシの屑、およびコウゾを使用した。

三国時代（高句麗、百済、新羅：紀元前18～紀元後668年）に、紙は麻（ma ji）とコウゾ（jo ji）から作られた。

高句麗（紀元前37～紀元後668年）で麻から作られた紙は、白い色となめらかな表面で有名であった。

高麗王朝（918～1392年）は、仏教の経典の全集を出版し、輸出するための紙の需要が増大したため、1145年から、コウゾの木の栽培と民間の製紙業を奨励した。このため、製紙における麻の使用は衰退した。

朝鮮王朝（1392～1910年）のもとで15世紀初期に、原料の不足が明らかになり、新技術とコウゾ繊維に代わる他の原料の使用法を学ぶために、韓国の製紙業者が中国へ派遣された。これらの製紙業者がコウゾの繊維に麻を混ぜて使う方法を再導入した。

Korea:

日本では伝統的に、麻が純粋さを表すとされ、男女の交際において象徴的な役割を果たしたため、麻は多くの儀式や民話で取り上げられている。

製紙用繊維としての麻は、6世紀末に、韓国を通じて日本に伝えられた。麻の繊維で作られた紙は「麻紙（まし）」と呼ばれる。

6世紀から12世紀までの時期は、中国を模範とした中央集権制を特徴とし、そのため、膨大な数の文書が作成された。麻、ガンピ、コウゾの繊維を、しばしば混合して製紙に使用した。しかし、麻の繊維が最も人気があり、奈良時代（8世紀）には最も多く使用された。

称徳天皇の時代の770年頃に印刷され、紙に印刷された文としては世界最古のものの一つである百万巻の陀羅尼では、麻の紙が使われている。

平安時代（794～1185年）以降、麻は人気がなくなり、麻に代わり、製紙が容易なガンピとコウゾが主流になった。

Preparation process for making paper

China:

洗った織物くずを、石臼に水を入れた中に浸ける。次に、アルカリ性溶液中に1日、浸けるか、または煮る。最後に、臼または粉砕器で圧搾する。

Japan:

茎は夏の終わりから秋にかけて収穫する。繊維が離れるまで水に浸けるか、蒸す。その後、アルカリ性溶液中で2時間、煮沸する。

パルプを粉砕または叩解する。

パルプを汲み出し、脱水し、シート状にする。

Korea:

織物くずを水に浸けた後、小片に刻み、粉砕器で圧搾する。

パルプを蒸し、水で洗浄した後、再度圧搾する。

パルプを紙床に注ぎ入れ、シートを形成する。

乾燥と漂白は型の中で行う。

Paper names

紙の名称の由来は、原料、生産地、製造方法、外見、寸法、用途、職人や工房の名前など、さまざまである。

混同しやすい点に注意が必要である。中国と日本では、「麻の紙」、「ma zhi」と呼ばれる紙が、麻、亜麻、カラムシ、ジュートのいずれかで作られている場合がある。

China:

中国では、韓国および日本と異なり、コウゾの繊維から作られる紙は少なく、竹の繊維で作られる紙が最も重要である。

Japan:

接尾辞はかみ、がみ、し = 紙

日本ではコウゾから作る紙が最も多い。

Korea:

韓国では、コウゾの樹皮から作る紙が最も多い。

Used part of the plant:

茎

Use for paper making:

繊維

Identification

繊維タイプ	靭皮繊維
平均繊維長	5mm
平均繊維長	21μm
繊維の末端	非常に多様で、先細で、先端は丸い。
線条痕、十字痕、屈曲ひだ	線条痕、十字痕、屈曲ひだ
原料に含まれる細胞	頻繁に存在する。孔のある導管要素と柔細胞。亜麻よりも大きく、麻に近い、くぼみのある導管が存在する。
特徴	短い繊維。繊維の末端と繊維細胞壁のルーメンの形が不規則。木パルプ（導管）や藁パルプに類似。横断面の形状：正方形か長方形。
ヘルツベルク染色	青
グラフC染色	繊維は黄色。ルーメンは青または緑。

Botanical classification

Hibiscus cannabinus L.

Order:

Malvales

Family:

Malvaceae

Synonyms:

Abelmoschus verrucosus (Guill. & Perr.) Walp.

Furcaria cavanillesii Kostel.

Hibiscus unidens Lindl.

Hibiscus verrucosus Guill. & Perr.

Ketmia glandulosa Moench

Plant growing area

アフリカとインド原産。

中国（広東、河北、黒竜江省、江蘇、遼寧、雲南、浙江）、インド、東アジア、東アフリカで栽培されている。

Use area in the manufacture of paper

中国, 韓国, 日本, インド。

Plant cultivation and use

Hibiscus cannabinusは高さ3 m以上に達する一年草である。花は淡黄色または赤、中央が深紅である。夏から秋にかけて開花する。成長が速く、4カ月で1.2メートル以上の草丈に達する。

ケナフは紀元前1000年頃にエジプトで、縄や布製品（袋、帆など）を作るために栽培された。

この植物はアジア全域で栽培され、主に繊維作物として、また産業用の油糧としても使われる。繊維は敷物などの粗布の製造に使われる。

ケナフはインドで、巻きタバコ用の薄紙の製造に使われる。成長が速いため、製紙業者は紙パルプの生産において木材の代わりに使用するようになり、靭皮繊維または茎全体が使われている。

Japan:

ケナフは日本では最近、製紙用繊維として使われるようになった。

Preparation process for making paper

茎から葉が落ちる11～12月に収穫する。

Paper names

紙の名称の由来は、原料、生産地、製造方法、外見、寸法、用途、職人や工房の名前など、さまざまである。

Used part of the plant:

茎

Use for paper making:

繊維

Language:

Korean

Local scripture:

금매초

Deinanthe Bifida Maxim. © Flora of China

Botanical classification

Deinanthe Bifida Maxim.

Order:

Cornales

Family:

Hydrangeaceae

Synonyms:

Deinanthe caerulea Stapf

Plant growing area

China (West Hubei).

Grows in moist forests in valleys at altitude 700-1600 m.

Use area in the manufacture of paper

Japan.

Plant cultivation and use

Deinanthe bifida is an herb 30-50 cm tall.

A mucilage is extracted from the roots which is used as formation aid in paper making. This viscous material is added to the pulp to increase its viscosity and thus delay the settling of fibers in the tank. In addition, the mucilage allows a better dispersion of the long fibers.

Japan:

The mucilage derived from Ginbaiso is used during the hot season since it looses its properties less rapidly than Tororo Aioi.

Used part of the plant:

Root

Use for paper making:

Formation aid

Language:

English

Botanical classification

Deinanthe Bifida Maxim.

Order:

Cornales

Family:

Hydrangeaceae

Synonyms:

Deinanthe caerulea Stapf

Plant growing area

China (West Hubei).

Grows in moist forests in valleys at altitude 700-1600 m.

Use area in the manufacture of paper

Japan.

Plant cultivation and use

Deinanthe bifida is an herb 30-50 cm tall.

Japan:

The mucilage derived from Ginbaiso is used during the hot season since it looses its properties less rapidly than Tororo Aioi.

Used part of the plant:

Root

Use for paper making:

Formation aid

Language:

Chinese

Local scripture:

金梅草

Botanical classification

Deinanthe Bifida Maxim.

Order:

Cornales

Family:

Hydrangeaceae

Synonyms:

Deinanthe caerulea Stapf

Plant growing area

China (West Hubei).

Grows in moist forests in valleys at altitude 700-1600 m.

Use area in the manufacture of paper

Japan.

Plant cultivation and use

Deinanthe bifida is an herb 30-50 cm tall.

Japan:

The mucilage derived from Ginbaiso is used during the hot season since it looses its properties less rapidly than Tororo Aioi.

Used part of the plant:

Root

Use for paper making:

Formation aid

Botanical classification

Deinanthe Bifida Maxim.

Order:

Cornales

Family:

Hydrangeaceae

Synonyms:

Deinanthe caerulea Stapf

Plant growing area

China (West Hubei).

Grows in moist forests in valleys at altitude 700-1600 m.

Use area in the manufacture of paper

Japan.

Plant cultivation and use

Deinanthe bifida is an herb 30-50 cm tall.

Japan:

The mucilage derived from Ginbaiso is used during the hot season since it looses its properties less rapidly than Tororo Aioi.

Used part of the plant:

Root

Use for paper making:

Formation aid

Language:

Japanese

Local scripture:

ギンバイソウ

Botanical classification

Deinanthe Bifida Maxim.

Order:

Cornales

Family:

Hydrangeaceae

Synonyms:

Deinanthe caerulea Stapf

Plant growing area

China (West Hubei).

Grows in moist forests in valleys at altitude 700-1600 m.

Use area in the manufacture of paper

Japan.

Plant cultivation and use

Deinanthe bifida is an herb 30-50 cm tall.

Japan:

The mucilage derived from Ginbaiso is used during the hot season since it looses its properties less rapidly than Tororo Aioi.

Used part of the plant:

Root

Use for paper making:

Formation aid

Language:

中国語

Local scripture:

楮

构

穀

Synonym:

Gou

Broussonetia papyrifera (L.) L’Hér. ex Vent. © Flora of China

Broussonetia papyrifera (L.) L’Hér. ex Vent. © C. Laroque

Broussonetia Papyrifera (L.) L’Hér. ex Vent.

Broussonetia Papyrifera (L.) L’Hér. ex Vent. © L.B. Vilmont

Identification

繊維タイプ	靭皮繊維
平均繊維長	10 mm
平均繊維幅	28µm (25-35µm)
繊維の末端	さまざまな形の末端、先は鈍いか、扇状か、分岐しているか、ヘラ形
線条痕、十字痕、屈曲ひだ	薄い十字痕
原料に含まれる細胞	柔細胞
特徴	繊維の末端と壁の形が不規則木のパルプ（導管）や藁のパルプに類似繊維周辺の膜が透明非常に長い繊維十字痕があり、厚いが不規則な壁コウゾ繊維の最も顕著な特徴として、しばしば繊維が半透明の膜で覆われる
ヘルツベルク染色	赤に青いルーメン周囲の膜
グラフC染色	赤に青いルーメン周囲の膜

Botanical classification

Broussonetia papyrifera (L.) L’Hér. ex Vent.

Order:

Rosales

Family:

Moraceae

Synonyms:

Morus papyrifera L.

Smithiodendron artocarpioideum Hu

Papyrius papyrifera (L.) Kuntze

Plant growing area

カンボジア、中国（自生または栽培。安徽、福建、甘粛、広東、広西、貴州、海南、河北、河南、湖北、湖南、江蘇、江西、陝西、山東、山西、四川、台湾、西蔵（チベット）南東部、雲南、浙江）、日本、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、シッキム、タイ北部、ベトナムで自生または栽培。

標高2500 mまで。

太平洋地域に自生。

Use area in the manufacture of paper

中国, 韓国, 日本, タイ

China:

甘粛、陝西、西蔵（チベット）南東部、山西、河北、山東、安徽、江蘇、江西（鉛山、新建）、広西チワン族自治区、浙江（蘇州、湖州、常州）、福建、台湾、湖北、河南、湖南、海南、広東、雲南（鶴慶、柳河、龍珠、麗江、禄豊郡）、四川、貴州。

Japan:

中部（新潟、富山、石川、福井、長野、岐阜、静岡、愛知）, 中国（島根, 関西（京都、兵庫、奈良, 関東（茨城、栃木、埼玉）, 九州（福岡、熊本、大分、鹿児島, 四国（徳島、愛媛、高知）, 東北（岩手、宮城、福島）

Korea:

京畿（加平、聞慶、京仁、龍仁）, 江原（原州）, 忠清（丹陽、槐山）, 慶尚（安東、旌善、宜寧、咸陽、晋州）,全羅（任実、南原、全州）

Thailand:

チェンマイ県

Plant cultivation and use

コウゾ属はクワ科の属で、Broussonetia papyrifera、B. kazinoki、B. kaempferi、B. kurzii などの数種で構成される。

コウゾBroussonetia papyrifera (およびヒメコウゾBroussonetia kazinoki）は野生の落葉低木であるが、栽培も可能。樹高は最高15メートル。雌雄異株である。実は食用可。他の植物の栽培に適さない山腹だけでなく、平地でも育ち、収穫は容易である。乾燥した土地と湿潤な土地のどちらでも生育する。

栽培は容易であるが、Broussonetia kazinokiの方が栽培しやすいため、しばしば2種を混植する。栽培した木から、野生のものよりも質の良い、太く、長く、強い繊維が取れる。成長は遅いが、毎年収穫される。

この低木の樹皮は、東アジア、中国、韓国、日本、環太平洋地域で昔から使われてきた。主に製紙に使われるが、樹皮、葉、実が伝統薬としても使われる。

China:

コウゾは昔から現在まで、中国全土に自生するか、または栽培されている。

コウゾは古代の商朝（紀元前17世紀から紀元前11世紀）から収穫、栽培され、布の製造を目的とする売買も行われていた。製紙での樹皮の使用に関する最も古い言及は、紀元後5世紀の「後漢書」における蔡倫の伝記にあり、コウゾの製紙における使用は、2世紀に蔡倫により始められたと考えられる。

製紙におけるコウゾ属樹皮の使用は、おそらく古代の樹皮布（タパ布）の製造、特に、南部と南西部における製造に起源があると思われる。

コウゾを原料とする紙は、晋代（265～420年）にすでに普及していた。唐代（618～907年）には、文字を書くための紙として、この種の紙がごく普通に使われていた。明王朝（1368～1644年）で書画に使われた紙は、しばしば樹皮に竹、時には藁を混ぜて製造された。

どの時代にも、それらは紙幣、衣服、製本、内装などにも使われた。唐代末に、紙で軽量の鎧が作られ、それによって矢から身を守ることができた。これらは南部の雲南、広西、貴州で、清代（1644～1911年）まで使われた。

Japan:

かつて、製紙業者が専用の畑でコウゾ（Broussonetia papyrifera）を栽培していたが、現在は、ごく稀な例外を除き、コウゾまたはヒメコウゾ（Broussonetia kazinoki）は、農家で食用作物に追加する形で栽培され、製紙業者に売られている。ただし、一部の製紙業者はいまだに共同で、紙を製造する場所で栽培し、樹皮を収穫している。紙は日本の多数の地域で製造される。

コウゾは古くから紙の製造に使われてきた。702年のものとされる日本最古の紙（美濃（岐阜）、筑前（福岡）、豊前（大分）の家系図）はコウゾを原料とする。日本における製紙の最初の隆盛期は、奈良時代（710～794年）と平安時代（794～1185年）である。これらの時代に、日本は中国にならった官僚制度に支配され、大量の紙を必要とした。写経にも良質な白い紙の製造を必要とした。政府は製紙所の設置を奨励したが、それらを管理したのは各地の権力者であった。紙は税の役割を果たしたため、各地の豪族が製造を管理した。最初は溜め漉きによる製紙が行われ、平安時代に流し漉きに移行した（製紙工程の部分を参照）。

平安時代に技術が改善され、麻の代わりにコウゾとガンピ（雁皮）が使われるようになった。コウゾは麻よりも栽培しやすく、どこででも簡単に栽培できたため、コウゾが最も普及した。ガンピは栽培できず、野生の低木を収穫する以外に利用できなかったため、使用は限られた。

第2の隆盛期は鎌倉時代（1185～1333年）から明治時代末（1868～1912年）までである。封建時代には、紙の需要が大幅に拡大した。生産される量、質、種類が上昇した。江戸時代（1603～1868年）に、コウゾは日本の多数の地域で栽培され、製紙に使われた。紙は税という役割から、大都市に運ばれ売却される商品へと性格を変えた。この莫大な利益を上げる取引は、各藩の大名が取り仕切っていた。

100%コウゾから作られる紙（楮紙（ちょし））は書道、公文書、印刷物に使われる。

書道用の紙は、墨が広がり、かすれて深みがなくなることを防ぐためにサイジングされている。現在、書道用の紙は、芸術的な効果の幅を広げるために、竹や稲藁などの他の繊維を含む場合がある。

美術では、コウゾから作る紙が絵画、版画、掛け軸、障子、襖などに使われる。

家庭用には、窓、襖、壁、床などの紙として、また、日用品、箱、瓶、傘、提灯、扇、布、玩具などの手工芸品の材料として、幅広い用途がある。

さらに、宗教用または儀式用の道具にも使われる。

布の製造にも使われる。紙を丈夫にするための処理を加えた後、直接使用することもあるが（紙衣（かみこ））、まず糸状にしてから使用することもある。混紡の糸、紙の糸、絹、綿、麻などの織糸を織って繊維にする（紙布（しふ））。

Korea:

韓国では「dak」という言葉が「コウゾ」の総称として使われる。Broussonetia papyriferaとBroussonetia kazinokiの2種は早くから交雑され、「Daknamu」（Broussonetia kazinoki）と「Kkujinamu」（Broussonetia papyrifera）という2つの名称は、しばしば混同される。Daknamuという名が最もよく使われるが、2種のどちらをも指すことがある。しかし、最もよく使われるのはBroussonetia kazinokiのようである。

この植物は韓国全土に生育し、製紙業界の発展に伴い、栽培が拡大した。

Dakの繊維は製紙の初期にあたる2世紀から4世紀の間に使われ始めたものと思われる。最初の紙の粗い表面を、8世紀に始まったと言われる「dochim」という槌打ち作業により平らにする。

高麗時代（918～1392年）には、政府が製紙業界の発展を奨励すると共に、4世紀に導入された仏教が、この時代に支配的な宗教になり、経文が広く写経され、その後、印刷された。多数の書物の出版を可能にした印刷術の発達により、紙の需要が高まり、生産量が増大した。

需要の増大に応じ、朝鮮政府（1392～1910年）は原料の多様化を奨励した。徐々に、さまざまな種類の繊維がdakの繊維と混合されるようになり、朝鮮時代の初期に朝鮮産の紙の評判を高めた品質が、16世紀から大幅に低下し始めた。

伝統的な用途に加え、コウゾから作られる紙は、手工芸品の製造に広く使われている。

Thailand:

タイでは、第二次大戦中の日本による占領から、コウゾの使用が始まった（日本人の間での紙の需要の拡大による）。タイでは伝統的にStreblus asper（コイ）の繊維が使われていたが、タイ北部にコウゾが豊富に存在したため、それに代わり、コウゾが使われるようになった。

Preparation process for making paper

China:

収穫は春に行われる。樹皮を材から直接むく。枝は束にして蒸す。蓋をしたタンク内で蒸すか、煮沸した後、樹皮をむく。次に、樹皮を日に干すか、または発酵させる。前者の場合、数日間、アルカリ性溶液（灰汁）中で煮て、不純物を取り除く。発酵を使う場合は、樹皮を水に浸して数日間発酵させる。次に、水で洗い、茶色の樹皮をナイフで削る。その後、数週間、石灰水に浸ける。その後、さらに洗う。

漂白は、7～11週間、水を吹きつけながら樹皮を日に干して行う。

次に、樹皮をさまざまな方法で叩く。たとえば臼と杵、あるいははねハンマー（足こぎハンマーか水力式のハンマー）を使い、石の上で叩解するか、槌や木の棒で叩解するか、動物が引く臼で砕く。

抄紙の前に、発酵したパルプに分散剤を加える。

抄紙にはいくつかの方法を使う。目的の紙の厚さにより量を加減して流し入れる。シートを重ねて一晩寝かせた後、重しを載せるか、またはプレスを使って圧搾する。その後、熱した壁か熱していない壁に置いて乾かす。

Japan:

収穫は11月、12月の落葉の時期に始まる。枝を長さ1メートルにそろえて切り、束を作る。樹皮をはがしやすくするために、束を2～3時間、蒸す。この段階の皮は、貯蔵前に取り除く外層の色から「黒皮」と呼ばれる。この部分は削り取る。

次に、樹皮を洗浄し、ラックに掛けて乾燥させる。2～3年の貯蔵後に、樹皮は紙を作るために適した状態になる。

煮る前に皮を漂白するために、冷たい川の水に樹皮を浸けるか雪上に置いて、日にさらす。アルカリ性溶液中で煮ることにより、叩解中に繊維を分離しにくくするリグニン、ペクチン、ガム、ワックスを除去できる。アルカリ性溶液は木灰またはアルカリ性の化学物質（水酸化ナトリウムまたは石灰）である。約2時間煮るが、皮の古さと使用するアルカリの種類により、時間は変わる。煮沸後、皮を洗浄して残ったアルカリを除去する。不純物は冷水中で、手で洗って除去する。

次に、パルプを槌か棒で叩くか、なぎなたビーターと呼ばれる日本製ホランダー叩解機で叩く。

水を張った木の槽にパルプを注ぎ入れ、分散剤を加え、木製の熊手を使って強く攪拌する。

抄紙法には、流し漉きと溜め漉きの2種類がある。溜め漉き法では、必要なパルプ全量を一度に取ってシートを形成する。流し漉き法では、目的の厚みになるまで繊維の層を重ねて作る。

シートは印をつけた板に1枚ずつ寝かせる。圧搾後にはがしやすくするために、間に何か（糸、茎）を挟む場合がある。圧搾は紙に重しを載せるか、またはレバープレスを使って行う。圧搾は1日の作業の最後に行われ、普通、一晩かけて行う。乾燥させるために、屋外か屋内に置いた木の板の上に、刷毛で貼り付ける。現在は、加熱した金属板も使われる。

最後に、シートを並べ、通常、ナイフを使い、テンプレートに合わせて形を整える。

Korea:

収穫時期は11月から2月。繊維が柔らかい一年生の低木が好まれる。枝を1.20メートルの長さに切る。皮をはがしやすくするために、束をほぐして入れ、厚い粗布で覆って蒸気が逃げないようにする。このようにして5～7時間蒸す。蒸した後、皮を木から直接はがし取り、日に干して乾燥させる。この段階の皮は外側の色から「黒皮」と呼ばれる。この黒い層はナイフで削り落とす。

白皮は1日、アルカリ性溶液に浸け、可溶性の部分を除去し、アルカリ性溶液を繊維に浸透させる。次に、皮を切って束にし、アルカリ性溶液中で煮る。皮は苛性アルカリ液の槽に入れ、3～4時間煮沸する。この作業により、リグニンと不要成分（ペクチン、スターチ）が取り除かれる。アルカリ性物質は、植物灰またはアルカリ性化学物質（苛性ソーダ、石灰、炭酸ナトリウム）である。煮沸後、皮を流水で半日洗い、薬剤と溶け出した物質を取り除く。皮を日にさらして漂白するために、さらに数日間、流水に浸ける。

冷水中で、手で不純物を取り除く。

その後、パルプをさまざまな方法で叩く。例えば、石や木の平らな円板の上で棒を使って叩く方法、垂直型叩解機、そして最近では、なぎなたビーターと呼ばれる日本製ホランダー叩解機などがある。

抄紙作業に進むために、まず、槽に水を張り、パルプを流し込む。分散剤を加え、強く攪拌する。ここで使われる手法はwebal、ssangbal、jangpanjiと呼ばれる。webal法では、普通、2層のシートを作る。シートを板の上に寝かせる。1枚のみを寝かせるか、または両端を合わせて2枚目のシートを重ね、1枚のシートにする。 Ssangbal法は日本の流し漉きに由来し、1900年以降に復活した（この手法は15世紀初期に生産量を増やすために取り入れられていた）。 Jangpanji法は大判のシートの製造に使われ、2人のうちの各人が型の片側ずつを持つ。パルプを何層も重ねてシートにする。

すべての手法で、圧搾した後にはがしやすいよう、シートは取り外し可能な網と重ねて寝かせ、中間に挟むものを（糸、茎）入れる場合と入れない場合がある。網をはずす前に、重なったシートを木の棒で押さえ、気泡を押し出す。圧搾は重しを載せるか、またはレバープレスを使って行う。排水には時間がかかる（12時間）。乾燥させるために、シートを滑らかな面の上に刷毛で貼り付ける。床の上の油紙を敷いた厚板や、蒸気で熱した金属板などが使われる。

カレンダー加工（Dochim）の段階では、紙を圧縮して目を詰め、表面の艶を出す。シートを湿らせて10枚ずつの小さいパックにまとめ、平らな石の上で足踏みハンマー（現在は機械式ハンマー）を使って叩く。

Thailand:

収穫は低木が一定のレベルに成熟した段階で行う。枝から直接、樹皮をはがす。まず、樹皮をきれいな水に1日浸け、皮を柔らかくする。次に、石灰か木灰を入れた湯で5時間煮た後、最後に洗浄する。不純物は手で除去する。

その後、木の台の上で木製の槌を使い、手で叩くか、または日本製ホランダー（なぎなたビーター）を使って叩く。

抄紙の型は固定式で、竹の枠に綿のカンバスを張ったものである。抄紙には2種類の方法がある。型を沈めて振り、液を分散させる方法と、型を槽の水面に浮かせて、正しい量を計って容器内で希釈したパルプを型の上に流し込み、手で均一に分散させる方法である。

乾燥させるために、型を太陽に向けて斜めに立てかける。完全に乾燥した後、シートをはがす。

Paper names

紙の名称の由来は、原料、生産地、製造方法、外見、寸法、用途、職人や工房の名前など、さまざまである。

China:

中国では、韓国や日本と異なり、コウゾ

の繊維から作る紙は主流ではなく、竹の繊維から作る紙が最も重要である。

Japan:

接尾辞はかみ、がみ、し= 紙。

日本ではコウゾから作る紙が最も多い。

Korea:

韓国ではコウゾの樹皮から作る紙が最も多い。

Thailand:

タイでは、コウゾの繊維で作られる紙は近代の産物である。

Used part of the plant:

樹皮

Use for paper making:

繊維

Broussonetia kazinoki Siebold & Zuch. © Flora of China

Broussonetia Kazinoki Siebold & Zucc. © C.Laroque

Broussonetia Kazinoki Siebold & Zucc. © T.H. Choi

Identification

繊維タイプ	靭皮繊維
平均繊維長	8,7 mm
平均繊維幅	22,5 µm
繊維の末端	多様
線条痕、十字痕、屈曲ひだ	十字痕繊維の壁は、あまり目立たない。
原料に含まれる細胞
特徴	繊維周辺の膜が透明。
ヘルツベルク染色	紫
グラフC染色	赤茶色

Botanical classification

Broussonetia kazinoki Siebold & Zucc.

Order:

Rosales

Family:

Moraceae

Synonyms:

Broussonetia kazinoki var. ruyangensis P.H. Ling & X.W. Wei

Broussonetia monoica Hance

Plant growing area

中国（自生または栽培。安徽、福建、広東、広西、貴州、海南、河南、湖北、湖南、江蘇、江西、四川、台湾、雲南、浙江）、日本（本州、四国、九州、沖縄）、韓国台湾。

林縁、低山に生育する。

Use area in the manufacture of paper

中国, 韓国, 日本

Japan:

東北（福島県、宮城県）

Korea:

慶尚道, 全羅道

Plant cultivation and use

コウゾ属はクワ科の属で、B. papyrifera、B. kazinoki、B. kaempferi、B. kurziiなどの数種で構成される。

コウゾBroussonetia papyrifera（およびヒメコウゾBroussonetia kazinoki）は野生の落葉低木であるが、栽培も可能。樹高は最高15メートル。雌雄異株。開花期は4月から5月。果実は食用可。他の植物の栽培に適さない山腹だけでなく、平地でも育ち、収穫は容易である。乾燥した土地と湿潤な土地のどちらでも生育する。

Broussonetia kazinokiはBroussonnetia papyriferaよりも栽培しやすく、しばしば2種を共に植林する。

東アジア、中国、韓国、日本、環太平洋地域で、昔から低木の樹皮が利用されてきた。主に製紙に使われるが、伝統薬にも使われ、葉と実も使われる。

Broussonetia kazinokiの葉はBroussonetia papyriferaの葉よりも幅が広い。日本では夏の七夕に詩句を書くために使われていた。

栽培した木から、野生のものよりも質の良い、太く、長く、強い繊維が取れる。Broussonetia kazinokiの繊維はBroussonetia papyriferaの繊維よりも長く、強い。成長は遅いが、毎年収穫できる。

China:

コウゾは昔から現在まで、中国全土に自生するか、または栽培されている。

Japan:

樹皮の主要産地は福島県にある。

製紙でのコウゾとカジノキの使用は、長年の間に発達してきたものであり、それらを区別することは難しい（古文書に使われている繊維を分析して両方の種を識別することは不可能なため、古文書の分析からは情報が得られない）。しかし、最もよく使われるのはBroussonetia papyriferaのようである。現在は、しばしば両方の種を栽培し、混ぜて使用する。加工法は両方の種で同じである。歴史的な側面についてはBroussonetia papyriferaを参照のこと。

美術では、コウゾから作る紙が絵画、版画、掛け軸、障子、襖などに使われる。

また、一般家屋で窓、襖、壁、床に貼る紙として、日用品、箱、瓶、傘、提灯、扇、布、玩具などの種々の手工芸品の材料として、幅広い用途がある。

さらに、宗教用または儀式用の道具にも使われる。

Korea:

韓国語の「dak」という言葉が「コウゾ」の総称として使われる。Broussonetia papyriferaとBroussonetia kazinokiの2種は早くから交雑され、「Daknamu」（Broussonetia kazinoki）と「Kkujinamu」（Broussonetia papyrifera）という2つの名称は、しばしば混同される。Daknamuという名が最もよく使われるが、2種のどちらをも指すことがある。しかし、最もよく使われるのはBroussonetia kazinokiのようだ。

この植物は韓国全土に生育し、製紙業界の発展に伴い、栽培が拡大した。

Dakの繊維は製紙の初期にあたる2世紀から4世紀の間に使われ始めたものと思われる。最初の紙の粗い表面を、8世紀に始まったと言われる「dochim」という叩く作業により平らにする。

高麗時代（918～1392年）には、政府が製紙業界の発展を奨励すると共に、4世紀に導入された仏教が、この時代に支配的な宗教になり、経文が広く写経され、その後、印刷された。多数の書物の出版を可能にした印刷術の発達により、紙を増産する必要性が高まった。

需要の増大に応じ、朝鮮政府（1392～1910年）は原料の多様化を奨励した。徐々に、さまざまな種類の繊維がdakの繊維と混合されるようになり、朝鮮時代の初期に評判の高かった朝鮮産の紙の品質が、16世紀から大幅に低下した。

伝統的な用途に加え、コウゾから作られる紙は、手工芸品の製造に広く使われている。

これらは書道、公文書、印刷物に使われる。美術では、絵画、版画、掛け軸、障子、襖に使われる。

家庭用には、窓、引戸、壁、床などに、また、日用品、箱、瓶、傘、提灯、扇、布、玩具などの手工芸品の材料として、幅広い用途がある。さらに、宗教用または儀式用の道具にも使われる。

Preparation process for making paper

Japan:

収穫は11月、12月の落葉の時期に始まる。枝を長さ1メートルにそろえて切り、束を作る。樹皮をはがしやすくするために、束を2～3時間、蒸す。この段階の皮は、貯蔵前に取り除く外層の色から「黒皮」と呼ばれる。この部分はナイフで削り取る。

　次に、樹皮を洗浄し、ラックに掛けて乾燥させる。2～3年の貯蔵後に、樹皮は紙を作るために適した状態になる。
　煮る前に皮を漂白するために、樹皮を冷たい川の水に浸けるか雪上に置いて、日にさらす。アルカリ性溶液中で煮ることにより、叩解中に繊維を分離しにくくするリグニン、ペクチン、ガム、ワックスを除去できる。アルカリ性溶液は木灰またはアルカリ性化学物質（水酸化ナトリウムまたは石灰）である。約2時間煮るが、皮の古さと使用するアルカリの種類により、時間は変わる。煮沸後、皮を洗浄して残ったアルカリを除去する。不純物は冷水中で、手で洗って除去する。

次に、パルプを木槌か棒で叩くか、なぎなたビーターと呼ばれる日本製ホランダー叩解機で叩く。
　水を張った木の槽にパルプを注ぎ入れ、分散剤を加え、木製の熊手を使って強く攪拌する。
　抄紙法には、流し漉きと溜め漉きの2種類がある。溜め漉き法では、必要なパルプ全量を一度に取ってシートを形成する。流し漉き法では、目的の厚みになるまで繊維の層を重ねて作る。
　シートは印をつけた板に1枚ずつ寝かせ、圧搾後にはがしやすくするために、間に挟むもの（糸、茎）を使う場合と使わない場合がある。圧搾は、重ねた紙に重しを掛けるか、またはレバープレスで行う。圧搾は1日の作業の最後に行われ、普通、一晩続く。乾燥させるために、屋外か屋内に置いた木の板の上に、刷毛で貼り付ける。現在は、加熱した金属板も使われる。
　最後に、シートを並べ、通常、ナイフを使い、テンプレートに合わせて形を整える。

Korea:

収穫時期は11月から2月。繊維が柔らかい一年生の低木が好まれる。枝を1.20メートルの長さに切る。皮をはがしやすくするために、束をほぐして、水を入れた金属製の鍋に入れ、厚い粗布で覆って蒸気が逃げないようにする。このようにして5～7時間蒸す。

蒸した後、皮を木から直接はがし取り、日に干して乾燥させる。この段階の皮は外側の色から「黒皮」と呼ばれる。この黒い層はナイフで削り落とす。

白皮は丸1日、アルカリ性溶液に浸け、可溶性の部分を除去し、アルカリ性溶液を繊維に浸透させる。次に、皮を切って束にし、アルカリ性溶液中で煮る。皮は苛性アルカリ液の槽に入れ、3～4時間煮沸する。この作業により、リグニンと不要成分（ペクチン、でんぷん）が取り除かれる。アルカリ性物質は、植物灰またはアルカリ性化学物質（苛性ソーダ、石灰、炭酸ナトリウム）である。

煮沸後、皮を流水で半日洗い、洗剤と溶け出した物質を取り除く。

皮を日にさらして漂白するために、さらに数日間、流水に浸ける。

冷水中で、手で不純物を取り除く。

その後、パルプをさまざまな方法で叩く。例えば、平らな石や木の円板の上で棒を使って叩く方法、垂直型叩解機、そして最近では、なぎなたビーターと呼ばれる日本製ホランダー叩解機などがある。

抄紙作業に進むために、まず、槽に水を張り、パルプを流し込む。分散剤を加え、強く攪拌する。ここで使われる手法はwebal、ssangbal、jangpanjiと呼ばれる。webal法では普通、2層のシートを作る。シートを木板の上に寝かせる。1枚のみを寝かせるか、または両端を合わせて2枚目のシートを重ね、1枚のシートにする。 Ssangbal法は日本の流し漉きに由来し、1900年以降に復活した（この手法は15世紀初期に生産量を増やすために取り入れられていた）。 Jangpanji法は大判のシートの製造に使われ、2人のうちの各人が型の片側ずつを持つ。パルプを何層も重ねてシートにする。

すべての手法で、圧搾した後にはがしやすいよう、シートは取り外し可能な網と重ねて寝かせ、中間に挟むもの（糸、茎）を入れる場合と入れない場合がある。網をはずす前に、重なったシートを木の棒で押さえ、気泡を押し出す。

圧搾は重しを載せるか、またはレバープレスを使って行う。排水には時間がかかる（12時間）。乾燥させるために、シートを滑らかな面の上に貼り付ける。油紙を敷いた床や、蒸気で熱した金属板に木の厚板を置いて行われる。

カレンダー掛け（Dochim）の段階では、紙を小さくし、穴を減らし、表面を滑らかにする。シートを湿らせて10枚ずつの小さいパックにまとめ、平らな石の上で足踏みハンマー（現在は、機械式ハンマー）を使って叩く。

Thailand:

収穫は低木が一定のレベルに成熟した段階で行う。枝から直接、樹皮をはがす。まず、樹皮をきれいな水に1日浸け、皮を柔らかくする。次に、石灰を入れた水か木灰のアルカリ液で5時間煮た後、最後に洗浄する。不純物は手で除去する。
　その後、木の台の上で木槌を使い、手で叩くか、または日本製ホランダー（なぎなた）を使って叩く。パルプに染料を加える。
　抄紙の型は固定式で、竹の枠に綿のカンバスを張ったものである。抄紙には2種類の方法がある。型を沈めて振り、液を分散させる方法と、型を槽の水面に浮かせて、正しい量を計って容器内で希釈したパルプを型の上に流し込み、手で均一に分散させる方法である。
　乾燥させるために、型を太陽に向けて斜めに立てかける。完全に乾燥した後、シートをはがす。

Paper names

>アジア、中でも特に中国、韓国、日本では、紙の用途は幅広い。書道や美術用の紙、儀式で使用する紙、ものと交換する媒体としての紙、紙幣、衣服・壁掛け・寝具の製造に使う紙、建築・内装用の紙、家庭用と娯楽用の種々の工芸品に使う紙などがある。

紙の名称の由来は、原料、生産地、製造方法、外見、寸法、用途、職人や工房の名前など、さまざまである。

China:

中国では、韓国や日本と異なり、コウゾ

の繊維から作る紙は主流ではなく、竹の繊維から作る紙が最も重要である。

Japan:

接尾辞かみ、がみ、し = 紙

日本ではコウゾから作る紙が最も多い。

美術では、コウゾから作る紙が絵画、版画、掛け軸、障子、襖などに使われる。

さらに、宗教用または儀式用の道具にも使われる。

Korea:

韓国では、コウゾの樹皮から作る紙が最も多い。これらは書道、公文書、印刷物に使われる。美術では、絵画、版画、掛け軸、障子、襖に使われる。

Used part of the plant:

樹皮

Use for paper making:

繊維

Language:

日本語

Local scripture:

オニシバリ

Daphne pseudomezereum A. Gray © Flora of China

Daphne pseudomezereum A. Gray © L.B. Vilmont

Identification

繊維タイプ	靭皮繊維
平均繊維長	5mm
平均繊維幅
繊維の末端
線条痕、十字痕、屈曲ひだ
原料に含まれる細胞
特徴	ガンピ、ミツマタに類似
ヘルツベルク染色
グラフC染色	灰青色

Botanical classification

Daphne pseudomezereum A. Gray

Order:

Malvales

Family:

Thymelaeaceae

Synonyms:

Daphne japonica Siebold & Zucc.

Plant growing area

標高800～1600 mの森林に自生する。

中国（吉林、遼寧）、日本、韓国。

Use area in the manufacture of paper

中国, 韓国, 日本

China:

西蔵

Plant cultivation and use

ジンチョウゲ属はジンチョウゲ科の低木または亜低木である。学術分類によれば、ジンチョウゲ属は50～95種で構成される。平原に分布する種、岩の多い山地に分布する種があり、石灰質の土壌を好む。カラフルな花と毒のある実で知られる。

ジンチョウゲ属、ミツマタ属、そして特にアオガンピ属の間では、形態が酷似しているため、混同しやすい。

Daphne pseudomezereumの属名はギリシャ神話に登場するペネウスの娘でニンフのダフネに由来する。ダフネはアポロンにつきまとわれ、逃れるために月桂樹に変身した。種名はアラブ語で毒を意味するmezereumに由来する。

Daphne pseudomezereumは1.5 mまで成長する常緑低木で、陽当たりの良い場所を好む。花の色は淡い緑で、3月から4月に開花する。繁殖は容易であるが、寿命は10年までである。

樹皮には大量のヘミセルロースが含まれ、製紙において珍重される。ジンチョウゲ属はヒマラヤ山麓における製紙の基本となる植物である。

China:

ジンチョウゲ属を原料とする紙は、チベットでは最高級品とみなされる。樹皮に虫除けの特性があることから、「毒の紙」を意味するdug-shogと呼ばれる。

Japan:

この植物は奈良時代（710～794年）に製紙に使われていた。

Paper names

紙の名称の由来は、原料、生産地、製造方法、外見、寸法、用途、職人や工房の名前など、さまざまである。

China:

中国では、韓国や日本と異なり、コウゾ

の繊維から作る紙は主流ではなく、竹の繊維から作る紙が最も重要である。

Used part of the plant:

樹皮

Use for paper making:

繊維

Primary tabs

Alcea rosea L.

Alcea rosea L.

Cannabis sativa L.

Hibiscus cannabinus L.

Deinanthe Bifida Maxim.

Deinanthe Bifida Maxim.

Deinanthe Bifida Maxim.

Deinanthe Bifida Maxim.

Deinanthe Bifida Maxim.

Broussonetia papyrifera (L.) L’Hér. ex Vent.

Broussonetia kazinoki Siebold & Zucc.

Daphne pseudomezereum A. Gray

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