アマは高さ30~120 cmの一年生植物である。肥沃で柔らかい土壌を必要とし、温帯性気候が最も適している。インドでは、標高1900 mまでの土地でアマが栽培されている。成長サイクルは短く、100日ほどである。6月半ばに開花する。
Linum usitatissimumは紀元前8000年にシリアまたはイランで栽培化された。古代エジプトでは、織物の繊維や食料として広く使われていた。その後、リネンの使用は、地中海周辺諸国に導入され、さらにヨーロッパの北部と西部に伝わった(紀元前5世紀)。東にも伝わり、紀元前3世紀頃にインドで使用が始まったと考えられている。
織物での使用と、油、パン、雑穀を生産するための種子の使用の両方を目的として栽培される。アマニ粕は飼料として使われる。
製紙用には、織物くず、つまり、織物用の繊維を取った後に残る「トウ」と呼ばれるアサの繊維の残りか、または植物そのもの(普通は油を採るためのアマ)から採った繊維を使う。
織物製造用の靭皮繊維は、レッティング、叩解、スカッチング、乾燥を行った後、茎から分離する。
レッティングでは、バクテリアの働きにより、植物の繊維部分を結合しているペクトーゼが分解され、繊維が分離する。レッティングは水に浸けて行うか、または畑で行う。
植物を抜き、俵状にまとめ、コームで梳いて種子を落とした後に行う。
レッティングを行った後、繊維を乾燥させ、乾いたトウをすりつぶし、残った樹皮の粒子を取り除く。
スカッチングは植物の木質部(ブーン)から繊維をはがし、長繊維をトウと分離するために行う。作業の最後はコーミングである。その後、繊維を梳き、紡ぎ、織る。