Musa textilis Née

繊維の特徴

繊維タイプ	葉
平均繊維長	2 - 6mm
平均繊維幅	24µm (16-32µm)
繊維の末端	先細で、先端は尖っているか、または丸い
線条痕、十字痕、屈曲ひだ	非常に薄く、非常に細い
原料に含まれる細胞	四角い表皮細胞、典型的な気孔柔組織、ケイ酸細胞、短く、孔のある導管要素。
特徴	滑らかで光沢のある繊維で、幅は不規則である。横断面：長円状の多角形。細胞壁は薄い
ヘルツベルク染色	青／灰色
グラフC染色	青／灰色

植物名

Musa textilis Née

目:

Zingiberales

科:

Musaceae

植物の生息地

フィリピンとインドネシア（ブルネオ島とスマトラ島）原産。中南米で栽培される。

中国（広東、広西、雲南で栽培）、タイ。

使用している紙漉き産地

中国, 韓国, 日本, タイ。

タイ:

タイ北部

栽培の歴史と用途

マニラアサはバナナに似た植物であるが、実は食用に適さない。偽茎を持つ植物で、高さは約6 mに達し、寿命は10年である。幹から葉が伸びる。

水はけの良いローム質の土壌に生育する。
19世紀以降、縄作りに使われるこの植物の長い繊維が持つ優れた性質がヨーロッパの人々に知られるようになった。フィリピンでは昔から、海水に強い漁網や縄を作るために使われていた。紙、袋、敷物作りに利用されるようになったのは近年のことである。

大きな楕円形の葉鞘から非常に長い繊維がとれる。

中国:

Musa textilisは中国南部で、衣服を作るために使われていた可能性がある。

日本:

日本では現代に製紙用繊維として利用されるようになった。マニラアサは第二次大戦後、改良半紙の製造に使われている。

沖縄県では、そこで生産されるバナナ（Musa paradisiaca）の繊維を製紙に利用する。

韓国:

韓国では現代に製紙用繊維として利用されるようになった。

タイ:

これはほぼ現代に利用されるようになった繊維であり、装飾用紙と工芸品の製造に用いられる。また、書き物や印刷をする紙の製造にも使われる。

紙漉きの工程

3～8カ月ごとに収穫する。18～25カ月間生育した後に収穫する。

繊維の回収は3段階で行う。まず、蒸して、第一と第二の葉鞘を分離し、繊維を取るためにはがし、日に干す。

通称

英語

Abaca
Manilla hemp

フランス語

Abaca
Chanvre de Manille

中国語

Jiao ma	蕉麻
Manila ma	马尼拉麻

韓国語

Manilla sam	마닐라 삼

日本語

Manira asa	マニラアサ, マニラあさ

紙名

アジア、中でも特に中国、韓国、日本では、紙の用途は幅広い。書道や美術用の紙、儀式で使用する紙、ものと交換する媒体としての紙、紙幣、衣服・壁掛け・寝具の製造に使う紙、建築・内装用の紙、家庭用と娯楽用の種々の工芸品に使う紙などがある。

紙の名称の由来は、原料、生産地、製造方法、外見、寸法、用途、職人や工房の名前など、さまざまである。

日本:

接尾辞かみ、がみ、し = 紙

日本では、コウゾの紙が最も多い。

紙名

日本

Kairyo hanshi	改良半紙	Kariryo hanshi
Wara asa gasenshi

使用される部分:

葉

茎

製紙での用途:

繊維